【IT活用】【コラム】農業におけるGAPと生産履歴記録~AGRIHUBを使ったIT化のメリット~

概要
GAPの取組みは、一言で説明できないほど多くの取組みが入っています。そこで、GAP・ITサポートでは2024年より各分野の専門家の方々とコラボして、コラム連載と無料セミナーを企画することにいたしました。
第5弾の企画は「IT活用」です。「農業におけるGAPと生産履歴記録~AGRIHUBを使ったIT化のメリット~」と題して、無料セミナーを企画し、講師は株式会社AGRIHUB代表取締役の伊藤 彰一様にお願いしました。
講師紹介

講師:伊藤 彰一
株式会社AGRIHUB 代表取締役
東京都調布市で野菜栽培を行う農家であり、株式会社Agrihubの創業者。ITエンジニアとしてのキャリアを持ち、2016年に就農後、農薬管理と栽培記録の難しさを実感し、農家向けの作業管理アプリ「AGRIHUB(アグリハブ)」を開発。現在では全国で4万人が利用する同アプリは、現場目線の操作性で痒いところに手が届くと好評。JA・市場向け「アグリハブクラウド」も展開し、日本の農業IT化を推進しています。
AGRIHUBの詳細は、AGRIHUBのホームページをご覧ください。
↓
https://www.agrihub-solution.com/agrihub
1.はじめに
農業の持続可能性と食の安全を確保するためのフレームワークである農業生産工程管理(GAP)において、生産履歴の正確な記録は不可欠です。本コラムでは、ITを活用した生産履歴管理のメリットを解説します。クラウドベースのデジタル管理への移行により、作業効率の向上、データ分析による経営最適化、消費者信頼の獲得などが実現できます。これらの技術は農家の規模を問わず誰でもすぐに導入可能です。
2.生産履歴とGAPの関係性
農業のGAPにおいて、生産履歴の記録は中核的な要素です。生産履歴は、種まきから収穫、出荷に至るまでの全プロセスを記録したものであり、農産物の安全性と品質保証の基盤となります。GAPの認証取得や維持において、この生産履歴の正確な記録と管理は必須条件となっています。従来の手書きによる記録方法では、時間がかかり、ミスも発生しやすいという課題がありましたが、ITの導入によりこれらの問題を効率的に解決できるようになってきました。
3.ITを活用した生産履歴管理のメリット
ITツールを活用した生産履歴管理には多くのメリットがあります。まず、データ入力の効率化が挙げられます。スマートフォンやタブレットを用いることで、圃場にいながらリアルタイムでデータを入力できるようになります。また、使用した農薬や肥料を瞬時に記録できます。さらに、クラウド型の生産履歴管理システムを利用すれば、複数の作業者間でデータを共有でき、いつでもどこでも最新の情報にアクセスできるようになります。これらの技術活用により、記録作業の負担が大幅に軽減され、より正確な生産履歴を効率的に管理できるようになります。
4.データ分析による農業経営の最適化
ITを活用した生産履歴管理の大きなメリットのひとつは、蓄積されたデータを分析して農業経営の改善に活用できる点です。例えば、年間の農薬使用量や肥料投入量のデータを分析することで、コスト削減の機会を見つけることができます。また、特定の作業と収量・品質の関係性を分析することで、最適な栽培方法を見出すことも可能になります。気象データと生育状況を組み合わせることで、より精度の高い収穫予測も行えるようになり、市場出荷計画の立案にも役立ちます。このようなデータドリブンの意思決定により、持続可能かつ収益性の高い農業経営の実現が期待できます。
5.認証取得の効率化
有機JAS、GLOBAL G.A.P.、ASIAGAP等の各種認証取得において、ITによる生産履歴管理は審査プロセスを大幅に効率化します。紙ベースの記録と比較して、デジタルデータは整理・検索が容易であり、認証機関への提出資料作成の手間が削減されます。また、システム内で認証基準に適合しているかを常時チェックできる機能を導入することで、認証維持に必要な条件を日常的に満たしながら栽培管理ができるようになります。
無料セミナーおよび質問投稿の詳細
・題名 「農業におけるGAPと生産履歴記録~AGRIHUBを使ったIT化のメリット~」
AGRIHUBを使った農業におけるGAPと生産履歴記録についてお話しさせていただきます。
・日時:2025年6月18日(水) 15:30 ~17:30
・会場:オンライン開催(Zoom)(申込後「URL」をお送りいたします)
・講師:伊藤 彰一(株式会社AGRIHUB 代表取締役)
・参加費:無料
・参加条件:特になし
・主催:GAP・ITサポート合同会社
お申込みいただいた方には、録画データのURLをお送りいたします。
当日参加できなくても、セミナーを受講したい方はお申し込みください。
なお、本セミナーでは、事前に質問を受け付けます。
講師に聞きたいこと、確認したいことがありましたら、ぜひ下記ボタンから質問を投稿してください。
当日に質問も可能です。